ベトナムの性感染症事情

性感染症(STI)は、性的接触を介して感染する病気です。日本では身近に感じにくいかもしれませんが、ベトナムでは医療環境や衛生意識の違い、旅行中の気の緩みなどから、日本より感染リスクが高いと考えられます。HIVやB型肝炎の頻度は日本の10倍程度とも言われ、「自分は大丈夫」と思っていても、決して油断はできません。また、性感染症は、感染拡大の恐れもあり、自分だけの問題では済まされないこともあります。この記事では、ベトナムの性感染症に関する事情をまとめてご紹介いたします。

主な感染機会

感染機会でよく見られるのは、性風俗店等の利用ですが、ベトナムでは、カラオケ店やマッサージ店などで性的サービスが提供されることもあり、知らずに利用してしまうケースもあります。最近では、マッチングアプリやネットでの出会いからHIVに感染する例が増加しており、懸念されています。さらに、性感染症の定義からは外れますが、衛生管理の不十分な格安タトゥー店での施術や注射器の共有によるHIVやB型肝炎等の血液感染も深刻な問題となっています。

主な病気と症状

代表的な性感染症には、クラミジア、淋病、梅毒、HIV、B型・C型肝炎、ヘルペスなどがあります。さらに、ベトナムでは、軟性下疳菌等の日本では比較的少ない感染症がみられることもあります。

症状は、数日から数週間の潜伏期間を経て、性器の痛み・かゆみ・発疹・しこり・膿・排尿時痛・おりものの増加や臭い等のほか、発熱や倦怠感、咽頭痛など全身症状が出る場合もあります。さらに不妊の原因となることもあります。注意が必要な点は無症状のケースも少なくないことです。特に女性は症状が出にくい傾向があり、発見が遅れることがあります。

検査・治療

検査は血液、尿、分泌物などを用いて行われます。治療は抗菌薬や抗ウイルス薬などで行い、短期間で終わるものから長期間治療が必要なものまでさまざまです。治療後に、効果確認のため、再度検査を行うこともあります。

感染リスクが高まる行動

  • コンドームを使用しない性行為(オーラル・アナルセックスを含む)
  • 不適切なコンドームの使用
  • 複数のパートナーがいる、新しいパートナーができた
  • 相手に複数のパートナーがいる
  • 性感染症の既往
  • 薬物使用や注射器の共有(性感染・血液感染のリスク)
  • 不衛生なタトゥー施術(血液感染のリスク)

予防のポイント

  • 性行為では最初から正しくコンドームを使用する
  • 不特定多数との性的接触を避ける
  • 必要に応じてワクチン接種を受ける
  • リスクがある場合は定期検査を受ける
  • 感染の可能性があれば可能な限り早めに受診する
  • 感染の可能性があれば全てのパートナーに検査と治療を促す

なお、HIVはリスクのある接触後72時間以内であれば、曝露後予防内服が可能な場合があります。

まとめ

ベトナムでは、日本より性感染症リスクが高い場面があります。正しい知識を持ち、予防を意識することで、多くの感染は防ぐことができます。自分自身と周囲の人を守るためにも、安全で責任ある行動を心がけましょう。

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