高温多湿のハノイでは、夏になると虫によって引き起こされる疾患が多くなります。今年は4月、5月からすでに多くの患者様が来院されていますので、以下ご参考になり対策をお立てください。
高温多湿のハノイでは、夏になると虫によって引き起こされる疾患が多くなります。今年は4月、5月からすでに多くの患者様が来院されていますので、以下ご参考になり対策をお立てください。狂犬病に関するご質問は通年寄せられますが、最近ハノイだけでなくベトナムの観光地で犬やサルにかまれたという患者様が来院されています。一度ご家族の予防接種記録をご確認ください。
デング熱
昨年は夏以降にハノイでも大流行しました。日中に飛び回っている蚊がウイルスを媒介するため日中の対策が重要です。黒い服を避け、明るい色の帽子や腕や脚を覆うタイプの衣類を着用しましょう。虫除けは定期的に塗り直すことが重要です。草むらや工事現場周辺では蚊が多く発生するため注意が必要です。治療は対症療法です。重症化のサインを見落とさないよう、デング熱の診療になれた医師のもとで治療を受けることをお勧めします。
ハネカクシ(通称やけど虫)
蟻に似た小さな昆虫で、草むらや湿地帯を好みます。顔や腕に付着した際に無意識に払いのけると虫がつぶれ、体内にあるペデリンという毒性の液体が皮膚に付着して皮膚炎を起こします。対策は、虫を払いのけずティッシュペーパー等で優しく包んで除去することです。メイドさんに手伝ってもらった洗濯物は外に干されていることがあるため、使用する際は虫が付着していないか注意しましょう。体液が付着した場合は流水で洗い流し受診してください。
ハネカクシ(通称やけど虫)
ダニ
湿度が高くなっており、寝具に生息するダニによる皮膚炎の患者さんが増えています。定期的なシーツ 交換、寝室での除湿機の使用などが予防方法です。ひどく腫れて痛痒い場合はかゆみ止めだけでは 改善しないこともあり、その際は受診をお勧めします。
屋内に生息するダニ (約0.2~0.4mm)
狂犬病
犬だけでなく猫、コウモリ、猿など哺乳類から感染します。噛まれた場合だけでなく、傷を舐められた
場合にも感染の恐れがあります。発症すれば致死率は100%のため、万が一噛まれた場合には「狂犬病の疑いのある動物に噛まれた」として治療する必要があります。予防接種をしていない人が噛まれた際に免疫グロブリンという物質を投与(注射)しますが、皮膚症状など強いアレルギー反応が出ることがあり、当院でもこうしたアレルギーを数例経験しています。予防接種で基礎免疫をつけておけば、噛まれた後の処置はさほど大変ではありません。
クリニックよりお知らせ
夏のご旅行前に、ご家族全員の予防接種記録をご確認ください。日本で始められた接種についても、クリニック医師が安全、正確に接種を継続できるようフォローいたします。現在狂犬病のワクチンの入荷が限られています。接種をご希望の方は早めにご予約ください。